最も被害が大きかった宮崎県。約1400戸が浸水被害に遭った高岡町は、被災した投票所2カ所の場所を急きょ変えた。県内でも投票率の高い地域だが、町選管は「被災者は選挙どころではない」。町役場が浸水した北方町でも、投票所の変更を検討している。
宮崎市では、投票所に予定していた小学校体育館に今も住民約70人が避難しており、校舎内の広いスペースに場所を移した。自宅の断水が続く同市月見ケ丘の無職、日高貴之さん(74)は「給水所に通う以外、日中は何もできない。投票どころじゃない人もおるでしょう」と言う。
山口県美和町は県道や町道が土砂で寸断され、神社を投票所に変えた地区もある。隣の美川町は、5カ所の投票所の電話が不通で臨時電話の開設を検討している。
土石流などで5人が死亡した鹿児島県垂水市では、8300世帯のうち5000世帯で断水しているため、投票所に仮設トイレを設置する。入場券をなくした有権者も多く、被災地では当日「券がなくても本人と確認できれば投票できる」と防災無線で呼び掛ける。
投票所と開票所を結ぶ約60キロの道路が寸断された熊本県八代市は、投票箱を車と徒歩のリレーで運ぶ方針。職員と立会人は車で行けるところまで行き、道路が崩れている約1キロは手で運ぶ。その先はタクシーで開票所に向かう算段だ。
■ ■
台風15号が接近中の沖縄県選管は、宮古・八重山地方の投開票繰り延べの検討を始めた。公選法は、台風などの災害で有権者が投票できない場合、投票を延期ができると定めており、最短で5日遅れの16日投開票を軸に調整する。その場合、沖縄4区と比例代表の九州ブロックは、確定票が出ない事態になる。10日は与那国島や竹富島で繰り上げ投票が行われた。
(2005.9.10/毎日新聞)


